見ず知らずの者への、株式の分散を防止する
相続や会社合併に対する会社側の対策
株式の譲渡制限規定の設置によって、取引による株式の分散化を防止することができます。
一方、
@株主が死亡し、所有財産たる株式が相続人の手に渡ってしまった
A自社の株式をA社が保有している場合に、その株主たるA社が合併によりB社に吸収され
てしまう場合
など、必ずしも株式の「譲渡」ではない原因で見ず知らずの相続人やライバル会社などに自社
株を保有されてしまう可能性があります。
会社が「その相続人が株主となることを認めない」と判断する場合には、相続の対象となる株式を会社
に売り渡すよう請求できることになります(同第176条第1項)。
ただし、
@会社が相続があったことを知った日から1年を経過したときは請求権を失う
A買い取るための金銭は、分配可能額の範囲内に限られる
などの制限もありますので、注意が必要です(同第176条第1項但書、同第461条第5項)。
この売渡請求は、相続人に対してのみならず、株主たる会社が合併される場合にも適用があり
ます(同第174条第1項)。
売渡請求手続の詳細や、定款の規定の設置についても、ぜひ専門家にご相談下さい。