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  目的の文言の変更について


 会社法の施行により、目的の「具体性」に関する審査について規制が緩和されました。  

 一部では、目的の文言について、これからは何でも用いることができるかの如く、活字になっ
ているものも見受けられます。

 実際、「営利的事業」や「商取引」でも、登記を申請すれば法務局は拒否していません。
 この点からは、かなり範囲の広い文言での目的事項設定が可能になったと言えます。


 しかしながら、個別・具体的な文言で目的事項を設定しようとする場合、従来から用いられてきた「
適法性」や「明確性」という基準は、会社法施行後も残るため、どんな言葉でも許されるという訳ではあり
ません。

   <明確性>
     例えば、「生活用品の販売」となると、「生活用品とはどこからどこまでを指すのか」
    ということになってしまいます。語句がどの部分までを指すのか範囲が明確ではない場
    合のほか、技術革新の発達等による新しい言葉で世の中に認知されていないような語句
    についても「明確性なし」として却下されるケースも有り得ます。

   <適法性>
    「麻薬の販売」など、違法性を帯びる行為を
目的事項に設定することができないという
    ことは分かりやすい例です。
     これに対し、「学校の経営」はどうでしょうか?
     従来であれば、「学校の経営」は学校法人法との関係から、民事会社の目的としては不
    適法との判断がありました。
     しかし、現時点では「構造改革特区」などの規制緩和から、実際に民事会社が大学を経
    営するなど、従来の基準とは異なった事業目的も散見されるようになっています。
     この点は、会社法の施行とは直接関係ありませんが、時代の推移に伴う定款目的事項の
    変化の一つとして捉えることができます。


【判断を誤らないために・・・】

 会社法施行によって、様々な書籍やインターネットの情報が世の中に出てきています。

 目的事項の新たな設定や従来の目的事項の変更の可否については慎重に判断すべきところと言え
るでしょう。とくに、許認可を取得する会社の場合には、指定された用語でしか認められないケー
スもあり、包括的な括りで目的を設定してしまうと、手続のやり直し、ひいては許認可の遅れによ
る受注の先送りに繋がる恐れも生じます。


 しおた事務所では、ご依頼主様との綿密な打合せを前提に、法務局での事前相談を行ったうえで、
定款変更手続ののお手伝いをさせていただきます。

 正確な手続を進めるためにも、是非専門家にご相談ください。